インプラント治療には結合期間と言われる待ち時間を設けることが一般的です。インプラントは骨の中に埋め込まれてすぐに骨と結合(オッセオインテグレーション)するわけではなく、1.5〜3ヶ月かけて徐々に骨と結合して行きます。結合度が低いときに、無理に歯を入れて噛んで力がかかると、せっかく結合していた部分が剥がれてしまい、インプラントが抜け落ちてしまうので、この期間が必要になるのです。例外として一定条件のもとではインプラントを埋め込んだ直後に歯をつける方法(即時荷重)もあります。また、この結合期間を短くするためにインプラントの表面構造の開発が進んでいます。
固定度の変化

インプラントがしっかりと埋め込まれても、当初は異物と認識されるので、破骨細胞(ピンク)に周囲の骨が吸収され、初期固定は徐々に失われます。しかし、一方で破骨細胞に刺激を受けた骨芽細胞(緑)が活性化し、新たに骨を作り始めます。この新しい骨がインプラントと結合していき、しっかりと噛むことに耐えられるようになります。この時、骨がインプラントのことをどう思って結合しているのかは未だ明確な理由はわかっていません。したがって、図を見るとピンクと緑の線が交わる辺りつまり3〜4週辺りが最も固定度が弱くなり、6週以降になるとインプラントと骨がしっかり結合することがわかります。現在はこのサイクルを早めるための様々な研究が行われています。
固定度の測定

ヒトの噛む力はとても強く、それに耐えられるほどインプラントが固定されているか手で測ることは難しいことです。そこで、インプラントの固定度を測定するために様々な測定装置が使われています。よく使われているのはOsstell®という機械です。この装置は、磁気パルスをインプラントに取り付けたパーツに当てることで生じる共振周波数を測ることでインプラントの固定度を知るというものです。短時間で測定できるためインプラント治療の各ステップで使用し、固定度を確認します。
骨と結合しやすくするための表面処理(UVインプラント)
インプラント治療では、「インプラントが骨としっかり結合すること」がとても大切です。
この結合が早いと、治療期間が短くなったり、より安定した仕上がりが期待できたりします。
そこで当院では、DIO社が開発した「UVインプラント」という技術を導入しています。
UVインプラントとは?
インプラントの表面に紫外線(UV)を照射することで、
見えない汚れ(油分やたんぱく質)を取り除き、骨となじみやすい状態にする技術です。
この処理により、インプラントがより早く、しっかりと骨とくっつくことが期待されます。
次のような方にご提案することがあります
- できるだけ早く噛めるようになりたい方
- 骨の量や強さが気になる方
UVインプラントを使用した場合でも、骨と結合するまでの期間や経過には個人差があります。骨の状態によっては、結合期間を短くできないこともあります。
このページの監修
山羽 徹医療法人山羽歯科医院 院長
- 日本口腔インプラント学会 認定専門医(登録番号 第1120号)
- 大阪大学大学院歯学研究科 非常勤講師/博士(歯学)
- 1999年からインプラント治療に取り組む