このページの要点
- 保証は、期間の長さより「条件」と「対象」で見るほうが判断しやすいです。
- どの保証にも、対象外になる場合と、受け続けるための条件があります。契約前に書面で確認しましょう。
- 保証が適用された場合は、撤去後の再埋入と上部構造の再作製を行います。埋入から3年間は当院、3年経過後から10年まではガイドデントが負担します(加入は任意です)。
- 保証には1本あたりの限度額(インプラント体200,000円/上部構造100,000円)があり、使い切ると保証は終了します。再加入は可能です。
- 保証は、治療そのものの質を保証するものではありません。日々のお手入れと定期的なメインテナンスが土台になります。
※ このページは、特定の医院の保証制度を評価したり、比較したりするものではありません。保証を選ぶときの考え方をご説明しています。
保証で見るべき4点
期間のほかに、確かめておきたいこと
保証の案内には、期間(「10年」「永久」など)がいちばん大きく書かれています。ただ、実際に使えるかどうかは、次の4点で決まります。
対象
- 見るところ
- インプラント本体だけか、かぶせ物も含むか。破損か、脱落か、骨の吸収か。
- なぜ大事か
- 「保証10年」とあっても、対象が本体だけなら、かぶせ物の修理は別費用になることがあります。
条件
- 見るところ
- 定期的なメインテナンスの間隔、通院の継続、喫煙の有無、全身疾患の管理。
- なぜ大事か
- 条件を満たさないと、期間中でも保証が使えない場合があります。
費用
- 見るところ
- 保証料がかかるか。再治療のとき、患者さんの負担は何割か。
- なぜ大事か
- 「保証」でも、再治療のたびに一部負担が発生することが多いです。
誰が保証するか
- 見るところ
- 医院独自か、第三者機関か。医院が閉院したらどうなるか。
- なぜ大事か
- 医院独自の保証は、その医院がなくなると引き継げないことがあります。
「期間が長い」だけで判断しない
長さと、使いやすさは別のものです
保証の期間が長いことは、それ自体は悪いことではありません。ただ、期間の長さは、次のような条件とセットで書かれていないと、実際には使いにくいものになります。
- 「永久」「一生」という言葉の範囲:何を、どの状態まで保証するのかが書かれているか。
- メインテナンスを欠かさなかった場合に限る、という条件:間隔は何か月か。1回でも遅れると対象外になるのか。
- 再治療の負担割合:無償なのか、一部負担なのか。負担の上限はあるか。
- 医院が閉院・移転した場合:ほかの医院で引き継げるか。
- 契約書面があるか:口頭の説明だけでなく、条件が書かれた書面をもらえるか。
ご相談のときに、これらの条件を尋ねてみてください。条件を明確に答えてもらえることが、その保証を判断する材料になります。
※ 期間の長さそのものを否定するものではありません。条件が明示されているかどうかが大切です。
保証されること・されないこと
一般的な例
保証制度によって内容は異なりますが、一般的には次のように分かれます。ご契約の前に、必ず書面でご確認ください。
| 項目 | 保証の対象になりやすい | 対象外になりやすい |
|---|---|---|
| インプラント本体 | 破損・脱落 | 噛み合わせの急変による破損 |
| かぶせ物 | 脱離・破損 | 強い噛みしめ・歯ぎしりによる破損 |
| 歯ぐき・骨 | — | インプラント周囲炎、骨の吸収 |
| 治療の中断 | — | 治療を無断で中断した場合、メインテナンスを怠った場合 |
| 全身状態 | — | 喫煙、糖尿病のコントロール不良など |
※ 上は一般的な傾向です。実際の対象・対象外は、各保証制度の契約内容によります。
とくに、インプラント周囲炎(インプラントの周りの歯ぐきや骨の病気)は、保証の対象外とされていることが多いです。これは、毎日のお手入れと通院で予防するものです。
相談で聞いていただきたい5つ
どの医院でも、聞いて構いません
ご相談のときに、次の5つを尋ねてみてください。答えにくそうにされたり、書面がないと言われたりした場合は、判断の材料になります。
1
保証の対象は何ですか?
インプラント本体だけか、かぶせ物も含むか。破損か、脱落か、骨の吸収か。
2
保証が続く条件は何ですか?
メインテナンスの間隔、通院の継続、喫煙や全身疾患の扱い。
3
再治療のとき、私はいくら負担しますか?
無償か、一部負担か。負担の割合と上限。
4
保証するのは医院ですか、第三者機関ですか?
医院が閉院した場合、ほかの医院で引き継げるか。
5
条件が書かれた書面をもらえますか?
口頭だけでなく、契約内容が書かれた書面があるか。
当院の保証制度
第三者機関による、埋入日から10年の保証
当院は、ガイドデントの認定歯科医療機関です。医院独自の保証ではなく、第三者機関である株式会社ガイドデントのインプラント10年保証制度に基づいて、再治療を行います。
ガイドデントとは
ガイドデントは、インプラント治療に特化した独立した保証機関です。当院は、同社の基準を満たした「認定歯科医療機関」として登録されており、治療後のトラブルに対して、埋入日から10年の保証制度をご利用いただけます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 保証の対象 | インプラントを撤去したうえでの再埋入手術と、上部構造(かぶせ物)の再作製 |
| 保証の期間 | インプラント埋入日から10年 |
| どちらが負担するか | 埋入日から3年間は当院が負担し、3年経過後から10年まではガイドデント保証制度が負担します |
| 保証限度額1本あたり | インプラント体 200,000円/上部構造 100,000円 |
| 限度額を超えた場合 | 当院で再治療を受ける場合は、限度額を超える治療費はいただきません。 転居などで他の認定歯科医療機関で再治療を受ける場合は、限度額を超える治療費をご負担いただく可能性があります |
| 保証の使い方 | 再治療で限度額を使い切ると保証は終了します(使い切りの保証)。再加入していただくことは可能です |
| 条件(定期メンテナンス) | 埋入日より2年間は年に2回以上、3年目以降は年に1回以上、担当医の指示に従って受けること |
| メインテナンスの費用 | 患者様のご負担です(保証の対象外) |
| 転居した場合 | ガイドデントまたは当院へ速やかにご連絡ください。登録内容の変更後、ガイドデントから認定歯科医療機関をご紹介します |
| 認定機関以外で再治療した場合 | ガイドデント認定歯科医療機関以外で再治療を受けた場合は、いかなる場合も保証の対象外です |
| 保証料 | インプラント1本 22,000円/ポンティック部 16,500円(税込)。加入は任意です |
| お金のやりとり | 保証料と保証限度額の金銭の授受は、ガイドデントと認定歯科医療機関の間で完結します。患者様とガイドデントの間で直接お金をやりとりすることはありません |
※ 上は概要です。保証対象外のケースを含む詳しい条件は「インプラント10年保証規約」によります。ご契約の前に、書面でご説明します。
骨と結合しなかった場合
インプラント治療のリスクとして、予期できない理由により骨とインプラントが結合しない場合があります。この場合は、無料で再手術を行います。ただし、再手術を希望されない場合、治療費用の返金はいたしかねます。
前歯部で、骨や歯肉に対する追加の手術が必要になった場合も、その手術の費用はかかりません。再手術や追加手術が必要になった場合は、治療期間が予定より延びることがあります。
引っ越し・転居したとき
保証を続けるために、ご連絡ください
保証の期間中に引っ越しや転居をされた場合は、ガイドデントまたは当院へ、速やかにご連絡ください。登録内容を変更したうえで、ガイドデントから、転居先の近くの認定歯科医療機関をご紹介します。
ご連絡いただくこと
- 連絡先
- 当院(072-856-6502)またはガイドデント
- 伝える内容
- 新しいご住所、転居の時期、保証書の番号
- そのあと
- ガイドデントから、転居先の認定歯科医療機関をご紹介します
転居先で受診するとき
- 持ち物
- ガイドデントの保証書
- 引き継ぎ
- 全国の認定歯科医療機関で、保証を継続できます
- 費用の注意
- 転居先の医院で再治療を受ける場合、保証限度額を超える治療費はご負担いただく可能性があります
※ ご連絡いただかないまま転居先の認定機関以外で再治療を受けた場合、保証の対象外となります。
保証より大切なこと
長く使うための土台
保証は、万が一のときの備えです。それ以上に、インプラントを長く使ううえで大切なのは、次の3つです。
- 毎日のお手入れ:歯ブラシと、インプラントの周りに合わせた清掃用具を使います。
- 定期的なメインテナンス:歯科医院での清掃と検査を続けます。間隔は、お口の状態に合わせてご案内します。
- 気になる変化を早めに相談:歯ぐきの腫れ、出血、ぐらつき、噛みにくさ。小さな変化のうちに対応すると、負担が少なくて済みます。
インプラントは、入れて終わりではありません。定期的に通っていただくことが、結果的にいちばんの備えになります。
よくあるご質問
「永久保証」とうたっている医院は、信用できないのですか?
そうとは言えません。医院によって考え方が違い、長い期間を約束していること自体が問題なわけではありません。大切なのは、対象・条件・負担・書面の有無が明確になっているかどうかです。ご契約の前に、条件を書面で確認されることをおすすめします。
保証があれば、入れっぱなしでも大丈夫ですか?
いいえ。保証の多くは、定期的なメインテナンスを受けることを条件にしています。また、インプラント周囲炎などは保証の対象外とされていることが多いです。保証は備えであり、日々のお手入れの代わりにはなりません。
保証料は、必ず払わないといけませんか?
当院の場合、保証制度への加入は任意です。加入される場合は、インプラント1本につき22,000円、ポンティック部16,500円(税込)の保証料がかかります。加入されない場合でも、治療内容は変わりません。
引っ越したあとも保証は使えますか?
当院が導入しているガイドデント社の制度では、全国の認定歯科医院で保証を継続していただけます。転居先で受診される際は、保証の書類をお持ちください。
保証が使えるのは、どんなときですか?
インプラント体の撤去と、再埋入手術・上部構造の再作製が対象です。埋入から3年間は当院、3年経過後から10年まではガイドデント保証制度が負担します。当院で再治療を受ける場合は、保証限度額を超える治療費はいただきません(転居などで他の認定機関で受ける場合は、超過分をご負担いただく可能性があります)。実際に適用されるかは、状態を確認したうえでご説明します。
保証は何回まで使えますか?(限度額について)
回数ではなく、1本あたりの保証限度額(インプラント体200,000円/上部構造100,000円)で決まります。再治療で限度額を使い切ると保証は終了しますが、再加入していただくことは可能です。
保証を続ける条件は何ですか?
定期メインテナンスを受けていただくことです。インプラント埋入日より2年間は年に2回以上、3年目以降は年に1回以上、担当医の指示に従ってお受けください。メインテナンスの費用は患者様のご負担です。これに加えて、ガイドデントが定める条件があります(契約時にご説明します)。
保証が使えなくなるのは、どんなときですか?
治療を中断した場合や、定期的なメインテナンスに通われなくなった場合は、保証の対象外となります。また、インプラント周囲炎など、お手入れに起因する病気も対象外です。喫煙や全身疾患の状態によっては、加入できない場合があります。
保証の対象かどうか、事前に分かりますか?
お口の状態によって、保証の対象になりにくい場合があります(喫煙、糖尿病のコントロール状態など)。ご相談のときに、加入できるかどうかもあわせてご説明します。
※ 治療内容・期間・費用は患者様おひとりずつ異なります。手術後に腫れや痛みを生じる場合があります。喫煙習慣のある方、糖尿病などの全身疾患をお持ちの方は、治療が受けられない、またはリスクが高まる場合があります。インプラントは一生持つことを保証するものではなく、日々のお手入れと定期的なメインテナンスが欠かせません。
このページの監修
山羽 徹医療法人山羽歯科医院 院長
- 日本口腔インプラント学会 認定専門医(登録番号 第1120号)
- 大阪大学大学院歯学研究科 非常勤講師/博士(歯学)
- 1999年からインプラント治療に取り組む